データサイエンス×UXデザインでデータドリブンな最高なUIUXを!
デザインがデザイナーの創造性だけに頼っていたのは、もう昔の話です。
技術は高度化し、ユーザーの要求も高度化しています。UXデザインは、アートとサイエンスの境界を曖昧にしています。Adobeによると、38%の人が、レイアウトやコンテンツの見た目がよくないと、そのウェブサイトを利用しなくなるそうです。また、画像の読み込みに時間がかかると、同じような割合でウェブサイトの訪問をやめると言われています。
そこで、劣悪で直感的でないデザインでダメになるのを回避できるように、データサイエンスの世界に入ってみましょう。
推測を排除する
うまくいくUXデザインには、しっかりとした科学的根拠があります。データに基づいた意思決定は必須です。そのため、デザインを始める前に、科学的手法を模倣した6つのステップを踏むことが不可欠なのです。
- 質問
- リサーチ
- 仮説
- 実験
- 結果分析
- データに基づいた意思決定とその実行
ウェブサイト訪問者が長く滞在し、コンバージョンに至るには何が必要なのか、決して闇雲にダーツを投げたり、思い込みで判断してはいけません。情報の海を潜り抜け、自分に必要なものを探し当てるのです。とはいえ、ユーザーの嗜好に関する膨大なデータをすべて集めることが問題なのではなく、そのデータを体系的に処理・分析し、すぐに使える見解を出すことがポイントなのです。
Google Analytics(GA)はその助けになるかもしれません。このツールは無料で、訪問者についての貴重な情報を得やすくします。訪問者がウェブサイト上で何をしているか、何を探しているか、どこから来たか、各ページにどれくらいの時間を費やしたか、特定のコンテンツに興味を持ったか、モバイル訪問者はデスクトップ訪問者と異なる行動を取ったか、など様々なことを知ることができるのです。
Google Analyticsの活用方法:
直帰率の最適化
直帰率が最も高いページと最も低いページを査定します。GAでは、各ページのレポートにアクセスできる以外に、ランディングページを分析し、訪問者がウェブサイトに入るソースを確立することができます。
平均ページ滞在時間指標の改善
その名前が示すように、このレポートは、訪問者が特定のページでコンテンツに関わった時間を示しています。平均時間が短いということは、特にそのページが長いブログ記事を掲載している場合、訪問者がコンテンツにあまり反応していないことを表しています。ということは、コンテンツを最適化する必要があります。しかし、場合によっては、訪問者がすぐに去ってしまうのは、探していた情報が簡単に見つかったからということもあります。
デバイス使用状況の把握
これは、近年ますます重要度が上がっている指標です。Cisco Mobile Forecastが言うように、モバイルトラフィックは年々膨大な量へ増え続けています。このレポートで、訪問者がどのようにあなたのウェブサイトにアクセスしているかを調べてみましょう。モバイルセッションが極端に短いことに気づいたら、事態を修正し、マルチデバイスに対応したアプローチをとりましょう。
人口統計の把握
性別、年齢、興味、教育レベル、収入、場所、その他の情報は、ユーザー体験や満足度に関して、ターゲットの要件や好みを理解するのに非常に重要です。
データサイエンス+UXデザイン=コンバージョンの向上
関連する指標に基づいて、訪問者の注意を引き、フォームへの入力や購入を促すことができるUXデザインのウェブサイトを構築することができます。膨大な量の処理済みデータにアクセスすることで、魅力的で機能的なデザインにするために具体的に何をすべきかをピンポイントで判断することができるようになります。
レイアウトの微調整
A/Bテストは、Webページ上の各要素のパフォーマンスを判断する最も効果的な方法として、長い間利用されてきました。しかし、この一か八かの方法は時間がかかります。したがって、訪問者のインタラクションに基づいて適応する動的なウェブサイトデザインが良いのです。ヒートマップ分析も、コンバージョンを押し上げるための戦術のひとつです。視線やマウスカーソルの動きを観察することで、どのような色、フォント、ボタン、コンテンツの種類が訪問者の心を動かすかを知ることができます。これはかなり難しいので、ウェブデザインを専門とする高名なエージェンシーの作品をチェックして、そのコツをつかむとよいでしょう。
コンテンツに磨きをかける
ご存知のように、コンテンツは依然として幅をきかせています。しかし、訪問者が興味のあるトピックに関する有益な記事を見つけられないのであれば、あまり意味がないですよね。そこで検索ボックスが必須になります。検索ボックスは小さな要素なのですが、訪問者にウェブサイト内を簡単に案内してくれるだけでなく、訪問者が得た検索結果が彼らの探しているものと一致するかどうかを照らし出してくれるのです。その結果、コンテンツの価値が高まり、彼らの期待に応えることができるのです。
体験を個別化する
関連する訪問者のデータは、コンテンツをカスタマイズし、それぞれの訪問者にユニークで個別化された体験をもたらすのに欠かせません。重要なのは、画一的な定型文や、ありきたりな一般的な方法でのターゲットオーディエンスの対応を避けることです。むしろ、CTAやメッセージ、ビジュアルを工夫することで、より深く、よりパーソナルなレベルで、訪問者と繋がりましょう。区分を行うことで、異なるターゲットグループに適切なメッセージと画像を提供し、彼らが興味がないような余計な情報を避けることができます。
トラフィックを分析する
新しいリード線は、すべてのビジネスの生命線です。リードジェネレーションのプロセスを最適化する方法を理解するには、何が最も効果的な方法であるかを特定し、それを主張しなければなりません。あらゆる獲得チャネルを評価し、最も質の高いトラフィックをもたらすチャネルを活用しましょう。
データ価値を最大化する
データを評価する際に留意すべき点:
A/AテストはA/Bテストと同じように有用である
データの報告ミスにより発生する偽陽性結果を防ぐために使用されます。A/Bテストの結果のうち、誤検出が占める割合は実に80%とのこと。しかし、2つのランダムなグループに、2つの異なるバリエーションではなく、同じランディングページやCTAを見せれば、分析ツールだけでなく、実行の質も確保できます。
ノベルティ効果に注目
リニューアルしたWebサイトの初期のパフォーマンスが、稀に急激に上昇傾向を示すことがあります。UXデザインが改善されたからではなく、その変化した姿に興味を持ったからです。しかし、このような現象はすぐに収束し、より現実的な状況を目の当たりにすることになります。
トワイマンの法則に注意
面白い統計や変わった統計が正しいと誤解させられることがあります。この不具合は、ある種の偏り、データの誤り、あるいはデザインやテストの状況が悪いことが原因であることもあります。
計装効果は、UXデザイン研究の妥当性を脅かすもう一つの要因です。
これは、経過の途中で測定器や観測者、測定装置を変更した場合に発生します。なので、実験は必ず本番前にテストしてください。つまり、ブラウザやデバイスを変えてみたり、より念入りなチェックをして、問題が起きないようにするということです。
結論として、データサイエンスはUXデザインを成功させるために不可欠なものとなりえます。データサイエンスは、訪問者の行動と期待を把握する鍵を握っていますが、必ずその使い方を学び、潜在的な落とし穴を認識しておかないといけません。