使い捨て型プロトタイプ とは
使い捨て型プロトタイプ とは、使用後に破棄されることを前提にプロトタイプを迅速に作成するソフトウェアの開発手法です。主に、開発プロセスの早期段階でアプリの機能を具体的に表現することを目的としており、ステークホルダーには仕上がりを視覚的にイメージ、実際に操作してもらえるようになります。
このアプローチは、チームがまだ初期の要件や仕様を概念化しようとしているアジャイルプロジェクトおよび頻繁なフィードバックが重要なプロジェクトで特に有効です。
しかし、どんなタイプの製品開発にも適しているというわけではなく、規制や文書化の要件が厳しい製品開発には適さないかもしれません。
使い捨て型プロトタイプは、製品のモデル制作に応じて、ペーパープロトタイプ、ワイヤーフレームで作成することができます。
UXPin Mergeは、1日あれば最終製品に似たプロトタイプを構築できるので、使い捨て型プロトタイピングモデルにも最適なツールといえるでしょう。テンプレート、パターン、完全にコード化されたコンポーネントが最初から組み込まれているため、すぐにプロトタイプを作成し始めることができます。
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使い捨て型プロトタイプとは
使い捨て型プロトタイプは、アプリのUI(ユーザーインターフェース)とその機能性のサンプルを迅速かつコスト効率よく作成する方法です。
このプロトタイプは、開発フェーズに渡されることを意図していないという点が主な特徴です。代わりに、デザイナー、デベロッパー、ステークホルダー間のコミュニケーションの強化、要件を明確にし、開発サイクルの早い段階で潜在的なデザインの欠陥を特定するための学習ツールとして機能します。
そしてプロトタイプがその目的を果たすと、それは脇に置かれ、チームはより構造化されたプロトタイプ開発へと移行し、何段階もの反復とエンドユーザーとのテストが行われます。
このタイプのプロトタイプは、進化型プロトタイプと対比されることがよくあります。使い捨て型プロトタイプと進化型プロトタイプは、プロトタイプにおける別々のアプローチです。その目的と方法論は違うため、よく互いに比較されます。
進化型プロトタイプは、より安定した要件の理解を前提としており、最終製品へと進化するプロトタイプを構築することを目的としています。そのプロトタイプは、ユーザーからのフィードバックに基づいて段階的に改良され、最終的には UX(ユーザーエクスペリエンス)に最大限の注意を払った完全なシステムとなります。
使い捨て型プロトタイプ は2024年にも通用するか
使い捨て型プロトタイプは、ソフトウェア開発プロセスの特定の状況で有効的です。
ここでは、その有効的な状況・場面をいくつか見てみましょう:
- 不確定な要件への対応:初期要件が十分に定められていない/開発プロセス中に変更されることが予想される場合、要件を簡単に調査して改良することができる。
- ステークホルダーを巻き込む:ステークホルダーからの早期のフィードバックが極めて重要なWeb開発およびアプリ開発プロジェクトでは、である。使い捨て型プロトタイプを使って、ステークホルダーは最終製品の具体的なイメージを視覚化・触れ合うことによってより良い製品の開発が促される。
- 誤解のリスクを軽減する:要件の解釈違いや誤解のリスクがある場合、使い捨て型プロトタイプはアイデア出しとして機能する。それによって、想定されることが明確となり、プロジェクトの成功が損われことを回避できる。
- 概念実証の提供:コンセプトや技術の実現可能性をテストする必要がある場合、使い捨て型プロトタイプで、システム全体の開発に取り掛かることなく、短期間で概念実証を行うことができる。
- 時間と予算の制約の管理:厳しい時間枠や限られた予算のプロジェクトにおいて、本格的に開発する前に初期のフィードバックを集め、必要な調整を行うための費用対効果の高い方法を提供する。
- コミュニケーションの強化:多様なステークホルダーが参加するプロジェクトでは、コミュニケーションの補助または想定されるものに沿った共通の視覚的表現としての役割を果たす。
ソフトウェアのプロトタイプへのこのアプローチは、このような状況において利点がありますが、すべてのプロジェクトに最適というわけではないということを認識する事が非常に重要です。
使い捨てプロトタイプ のアプローチの主な問題点
このようなラピッドプロトタイピングは、複雑な承認サイクルや厳格な規制遵守を伴うプロジェクトには有益ではありません。
徹底した文書化とトレーサビリティが不可欠な厳しい規制要件のある業界では、使い捨て型プロトタイプは、総合的な文書化と正式なプロセスの必要性に合致しない可能性があります。
一方、承認取得に複雑で長いプロセスを要するプロジェクトでは、使い捨て型プロトタイプに課題が生じる可能性があります。
プロトタイプの迅速な開発と破棄は、延長された承認サイクルとうまく整合しない場合があり、それがプロジェクトのタイムラインの遅延と非効率につながる可能性があります。
より構造化されたプロジェクト管理だと、デザインおよび開発チームは、UXの成果物として機能する実物のようなプロトタイプを作成し、必要な承認手続きに対応することが求められるかもしれません。
迅速な 使い捨て型プロトタイプ 作成のヒント
使い捨て型プロトタイプの成功は、貴重な情報を効率的に集め、プロジェクトの全体的な理解を深め、アイデアを迅速に検討する能力にかかっています。
そのためにはどうすればいいのでしょうか?ここでは、迅速な使い捨て型プロトタイプを作成する人に向けの便利で重要なアドバイスをご紹介します。
目的を伝える
全ステークホルダーに、使い捨て型プロトタイプを作成する目的を明確に伝え、使い捨て型プロトタイプが最終製品になるということは考えていないことを伝えましょう。
使い捨て型プロトタイプは模索、学習、改良のためのツールであり、プロトタイプが進行中の「実際の製品」という誤解がされないように区別させることが重要です。
そして、使い捨て型プロトタイプを使うことで、最終的なシステムのモックアップをすぐに作成できるため、反復(イテレーション)が可能であることをアピールしましょう。
これは、フィードバックに基づく迅速な調整ができる柔軟かつ適応性のあるアプローチであり、最終的に初期要件のより良い理解につながります。
ステークホルダーが使い捨て型プロトタイプの目的を理解すれば、彼らが想定していることは意図した結果と一致するでしょう。プロジェクト全体におけるプロトタイプの役割に関して、失望や混乱が生じる可能性が低くなります。
また、プロトタイプが共同作業と改良のためのツールであることがわかれば、ステークホルダーの積極的な参加を促すことができるでしょう。
ステークホルダーを最初から巻き込む
プロトタイプ開発の初期段階からステークホルダーをプロセスに参加させましょう。早い段階から参加することで、構想段階やデザイン段階でステークホルダーの視点が考慮され、プロジェクトのライフサイクルの後半でズレが生じる可能性が低くなります。
また、意思決定者を早期に関与させることで、最終成果物が彼らが想定しているようなものになることが保証されます。また、プロジェクトの承認、リソースの配分、プロジェクト全体の方向性を決める上でも、非常に重要です。
開発プロセスの後半で矛盾や問題がわかると、コストと時間がかかる可能性があります。なので、このようなプロトタイプにステークホルダーを参加させることで、大規模な開発作業が完了する前に懸念事項を把握して対処することができ、後期段階での変更やコミュニケーションミスのリスクを減らすことができます。
デザインのリスクを(敢えて)冒す
使い捨て型プロトタイプでデザイン上のリスクを冒すことは、革新と改良のための強力な戦略となり、それが最終的にはより効果的でユーザー中心の最終製品の開発への貢献になります。
また、使い捨て型プロトタイプで、創造的で革新的なデザインコンセプトを実験するためのリスクの少ない環境が得られます。チームは、最終製品への影響を心配することなく、限界を押し広げ、新しいアイデアを探求し、型破りなアプローチをテストすることができます。
使い捨て型プロトタイプは最終製品への進化を意図していないため、デザイン要素の迅速な反復と調整ができます。そしてその際、デザイン上のリスク冒すことができ、フィードバックに基づいてプロトタイプをサッと修正して、別のアプローチを探ることができます。
ソフトウェアエンジニアリングプロセスの早い段階でリスクを冒す自由があることで、革新的なアイデアの潜在的な問題や課題を発見し、本格的な開発に大きなリソースが投入される前に、それを特定して対処することができます。そしてこのような積極的なアプローチにより、プロジェクトの後半に問題が発覚するリスクが最小限に抑えられます。
インタラクティブプロトタイプの採用
使い捨て型プロトタイプは、紙の上のスケッチや基本的なワイヤーフレームとして行うべきだとよく言われますが、本記事ではそれとは違うことを提案します。デザインツールは非常に進化しており、お金や時間といったリソースを無駄にすることなく、プロトタイプに機能を追加することができます。
機能的なプロトタイプで、提案されたアイデアが実際にどのように機能するかが明らかになり、それで不確定要素に対処して、プロジェクト関係者全員がコンセプトを共有できるようになります。
UXPin Merge を使えば、真っ白なキャンバスから始める必要はありません。このツールには、デザインのアイデアをサッと検討するための、キャンバス上に配置できる完全にインタラクティブにコード化されたコンポーネントがありますからね。UXPin Merge を使って、ダッシュボードのデザインをいかに速く構築できるかをぜひご覧ください。
積極的にフィードバックを求める
使い捨て型プロトタイプは、プロジェクトに対する全員の理解を一致させるためのコミュニケーションツールです。
フィードバックのためのオープンなコミュニケーションチャンネルを確立し、アンケート、インタビュー、専用のフィードバックセッションなどの手段を用意し、ステークホルダーやユーザーがプロトタイプに対する考えを共有しやすいようにしましょう。
フィードバックは1回のみではなく、プロトタイプや開発段階を通じて継続的に行うことで、適応性と応答性の文化が育みます。
UXPin Merge で 使い捨て型プロトタイプ を作成しよう
使い捨て型プロトタイプは、制作する製品の要件についてチームの足並みをそろえたいときに便利です。また、コストと時間を節約しながら、チームの合意を見つけ、可能性を探り、革新的なソリューションを見つけることができます。
このようなプロトタイピングに最適なツールの1つにUXPin Mergeがあります。UXPin Mergeにはテンプレート、パターン、構築済みのコンポーネントライブラリがあり、プロトタイピングプロセスを直感的に行うことができます。
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