【Node.js とReact.js】2つのJavaScriptフレームワークを比較
Node.js と React.jsはWeb開発でよく使われる2つの技術ですが、開発スタック内での役割は異なります。
Node.js はバックエンド・サービスに使われるランタイム環境であり、ReactはWebアプリケーションの UI(ユーザーインターフェース)の構築(フロントエンド開発)に焦点を当てたフロントエンドライブラリです。
Node.js と React.js は、サーバーサイドとクライアントサイドの両方のタスクを効率的に処理するために、フルスタックの JavaScript アプリケーションでよく一緒に使われます。
そこで本記事では、このペアが皆さんのプロジェクトに適しているかを検証していきましょう。
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Node.jsとは
Node.jsの概要
Node.js は、ブラウザの外で JavaScriptコードを実行するための、オープンソースのクロスプラットフォーム実行環境です。
歴史的に、JavaScriptは主にクライアントサイドスクリプティングに使われ、JavaScriptで書かれたスクリプトはクライアントのブラウザ上で実行され、そのスクリプトで Webページがインタラクティブになります。
サーバーサイドでの利用
ただし、Node.js を使うと、デベロッパーはサーバーサイドスクリプトにJavaScriptを使えます。
つまり、ページがユーザーの Webブラウザに送信される前に、サーバー側でスクリプトを実行して動的な Webページ コンテンツを生成できます。
このように、Node.js は「どこでも JavaScript 」というパラダイムを表しており、サーバーサイドとクライアントサイドのスクリプトに異なる言語を使うのではなく、単一のプログラミング言語を中心にWebアプリケーション開発を統合しています。
高いパフォーマンスと低レイテンシ
Node.js は、Google Chromeで使われているのと同じランタイムであるV8 JavaScriptエンジンで動作し、JavaScriptをネイティブのマシンコードに直接コンパイルします。
この実行モデルで高いパフォーマンスと低レイテンシがもたらされるため、Node.js は分散デバイス間で実行されるデータ集約型のリアルタイム アプリケーションに特に適しています。
イベント駆動とノンブロッキングI/O
さらに、Node.jsではイベント駆動のノンブロッキングI/Oモデルが使われているため、軽量で効率的であり、Web サーバーなど、データ スループットが高くても計算能力要件が低い環境に最適です。
エコシステムとコミュニティ
Node.jsを取り巻くエコシステムは広大で、活発なコミュニティが存在します。
また、Node.js ではオープンソースライブラリの最大のエコシステムであるnpm(Node Package Manager)が使われており、どのようなプロジェクトにも簡単にインストールして追加することができるため、機能性が上がり、開発時間が短縮されます。
Node.js を使う人
長年にわたり、Node.jsは多くのWeb技術の基礎的な要素となり、MEAN(MongoDB、Express.js、AngularJS、Node.js)スタックのような革新的なプラットフォームやツールを育んできました。
このような広範な使用とサポートにより、Node.jsは現代の Web開発における極めて重要な技術として確固たる地位を築いています。
また、Node.js の効率性とスケーラビリティにより、以下のような有名企業がアプリケーションのさまざまな部分に Node.js を取り入れています。
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Netflix – このストリーミングプラットフォームでは、低レイテンシと高い並行性が要求されるストリーミングサービスのサーバーサイドの処理に Node.js が使われている。この移行により、起動時間が大幅に短縮され、アプリケーションの全体的なパフォーマンスが上がった。
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PayPal – Webアプリケーションを Java から Node.js に移行しており、Node.js を使うことで、以前の Java アプリケーションと比べて、1秒あたり2倍のリクエストをわずかなレスポンスタイムで処理できるようになったと報告されている。
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LinkedIn – モバイル アプリのバックエンドに Node.js を利用して、アプリのパフォーマンスと読み込み時間が大幅に改善された LinkedIn は、その他の注目すべき例として挙げられる。
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Uber — 巨大なマッチングシステムに Node.js を取り入れ、膨大な量のネットワークリクエストを効率的かつ効果的に処理するプラットフォームの能力を高く評価している。
このような企業による Node.js の使用で、Webスケールのアプリケーションを処理する Node.js の能力が強調されているだけでなく、技術開発のフルスタックにわたってJavaScriptを使う傾向が強まっていることがわかり、それで現代のWebアーキテクチャにおける重要なコンポーネントとしての Node.js の役割が裏付けられています。
Node.js の利点と問題
Node.js の利点
Node.js には、様々な種類のプロジェクト、特に Webベースのアプリケーションに取り組むデベロッパーに好まれるプラットフォームとなる数多くの利点があります。
以下はその主な利点の一部です:
スピードと効率性
Node.js は GoogleのV8 JavaScript Engineを活用しており、JavaScriptをネイティブのマシンコードに直接コンパイルします。これにより、アプリケーションの高速実行が実現します。また、イベント駆動型アーキテクチャとノンブロッキングI/Oオペレーションによって、速度と効率がさらに上がることから、データ集約型のリアルタイムアプリケーションの処理に適しています。
スケーラビリティ
Node.js の核となる強みの1つに、そのスケーラビリティが挙げられます。従来のスレッディングとは対照的に、イベントループで Node.js がノンブロッキングI/Oオペレーションを実行できるようになります。これは、Node.js が同時に多数の接続を処理できるようになるということであることから、ライブチャットアプリやオンラインゲーム、コラボレーションツールなどの高負荷アプリケーションに適しています。
統一されたプログラミング言語
Node.js では、従来はクライアント側のプログラミング言語であるJavaScriptが使われていることから、デベロッパーはサーバーサイドとクライアントサイドの両方のスクリプトに単一の言語を使うことができます。この統合により、同じチームがコード ベース全体を管理できるため、開発プロセスが効率化され、それでコンテクストの切り替えと冗長性が軽減されます。
強固な技術スタック
Node.js は、MEAN スタック(MongoDB、Express.js、AngularJS、Node.js)などのさまざまなスタックの主要コンポーネントであり、それでデベロッパーはエンドツーエンドのJavaScriptを使って強力でダイナミックな Webアプリケーションを構築できます。この統合によって、開発プロセスがシンプルになり、アプリケーションの配信のスピードが上がります。
強力なコミュニティサポート
広大で活発なコミュニティにより、Node.js のデベロッパーは npm(Node Package Manager)を通じて利用可能な無数のモジュールやツールにアクセスできます。この広範なエコシステムによって実装が必要なほぼすべての機能のライブラリやツールはきちんと見つかり、開発プロセスのスピードが大幅に上がります。
クロスプラットフォーム開発
Node.js はクロスプラットフォーム開発に対応しており、Windows、macOS、Linux などのさまざまな OS(オペレーティングシステム)にデプロイできます。これによって、デベロッパーはさまざまなプラットフォーム間でシームレスに動作するコードを簡単に書くことができます。
マイクロサービスアーキテクチャに最適
Node.js は軽量でモジュール化されているため、マイクロサービスアーキテクチャに適しています。なので、アプリケーションをより小規模な相互接続されたサービスに分割しようとしている企業は、非同期呼び出しを処理する能力と I/O 操作の効率性により、Node.js が適切な選択肢であると考えています。
企業のバックアップ
Node.js は、Microsoft や Google 、IBM のような大手ハイテク企業から強固なサポートを受けていることから、継続的な開発と信頼性が確保されています。この支援で、Node.js を導入する企業はその機能と長期的な存続可能性を安心して利用できるようになります。
このような利点により、Node.jsは、効率的でスケーラブルかつ革新的なWebアプリケーションを開発しようとするスタートアップ企業と大企業の両方にとって、魅力的な選択肢となっています。
Node.js の問題
Node.js には多くの利点があり、多くの開発の場面でよく使われる選択肢ですが、自分のプロジェクトに適したツールであるかどうかを決定する際に考慮すべき問題もあります。
ここでは、Node.js を使う際の問題をいくつか挙げてみましょう:
CPU 負荷の高いタスクでのパフォーマンス制限
Node.js は重い計算タスクには適していません。Node.js はシングルスレッドであるため、CPU(Central Processing Unit)負荷の高い処理を行う際にボトルネックになる可能性があるのです。そしてそのようなタスクはイベントループをブロックすることから、他の同時処理の遅延につながります。なので Node.js は、サーバーサイドで複雑な計算や画像処理、大規模なデータ変換を必要とするアプリケーションにはあまり適していません。
コールバック地獄
Node.js は非同期コードに大きく依存しているため、「コールバック地獄」や「運命のピラミッド」と呼ばれる、コールバックがいくつも入れ子になっている状態になることがあり、これでコードが読みにくくなったり、保全されにくくなります。この問題は、Promises や async/await のような最新の機能で軽減され得ますが、初心者や旧式のコードベースでは依然として問題となります。
API の安定性
過去には、Node.js は API の安定性に問題があり、頻繁な変更が後方互換性のないアップデートにつながっていました。安定した LTS(Long Term Support)バージョンが確立されたことで、この問題は大幅に改善されましたが、それでも急激な変更はアプリケーションの保全やアップグレードが大変になる可能性があります。
非同期プログラミングを理解する
非同期プログラミングは Node.js の中核的な概念であり、従来の線形プログラミングのアプローチとは異なる考え方が求められます。 非同期プログラミングに馴染みのないデベロッパーには、その理解や効果的な実装が難しくいことから、それがエラーや非効率的なコードの発生につながる可能性があります。
NPM エコシステムの品質
npm は膨大な数のパッケージを提供しますが、そのパッケージの品質は大きく違ってくる場合があります。パッケージによっては、不十分なメンテナンスや適切なドキュメントの欠如、脆弱なセキュリティがある可能性があり、デベロッパーは npm レポジトリのオープンな性質によって、信頼性が高く安全なパッケージの慎重な選択が求められます。
外部ライブラリへの依存度が高い
JavaScriptのサーバー側の機能は従来限られているため、Node.js アプリケーションはルーティング、セキュリティ、データベースとの対話などの基本的な機能の処理のためにミドルウェアや外部ライブラリに大きく依存することがよくあります。 これによって、複雑さが増して依存関係の問題が発生するリスクが高まる場合があります。
従来のサーバーサイド プログラミングからの逸脱
より従来型のマルチスレッド サーバー環境 (Java EE や .NET など) に馴染みのあるデベロッパーは、Node.js のシングルスレッドのイベント駆動型アーキテクチャは大変と感じる可能性があります。 そしてこれには、デザインパラダイムの大幅な変更と開発実践の調整が必要になる場合があります。
デベロッパーの専門知識とリソース
JavaScriptはデベロッパーの間で広く知られていますが、Node.js の特定のスタイルのサーバーサイド開発にはさらなる学習や専門知識が求められる場合があり、 それで企業は、フルスタック JavaScript開発の微妙な違いに詳しいデベロッパーを見つけるという課題に直面する可能性があります。
React.js とは
React.jsの概要
React.js は、Node.js とは異なり、Facebook によって開発されたクライアントサイドJavaScriptライブラリであり、UI、特に動的な対話モデルが必要なシングルページ アプリケーションの構築向けに設計されています。
Webアプリケーションのビュー層
これは主に Webアプリケーションのビュー層の処理に使われ、それでデベロッパーは、時間の経過とともに変化するステートの観点からインターフェースを記述できるようになります。
また、Reactは、アプリケーションの推論をしやすくして効率性と柔軟性の両立を目指す宣言的パラダイムを取り入れています。
そしてアプリケーション内の各状態に合わせてシンプルなビューを設計し、データが変更されると、適切なコンポーネントだけを効率的に更新してレンダリングします。
Node.js と React.js の比較
実行環境
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Node.js:サーバー側でスクリプトを実行することから、JavaScriptはブラウザの外部で実行できるようになる。また、Node.js は主に API、サーバー ロジック、データベース操作、ネットワーク全体の非同期操作の処理などのバックエンド サービスに使われる。
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React.js:ユーザーのブラウザ内でクライアント側で動作し、インターフェースの対話を強化する。 Node.js を使ってサーバー側でレンダリングして、パフォーマンスと SEO を上げることもできる。
アーキテクチャ
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Node.js:イベント駆動型のノンブロッキング I/O モデルを利用することによって軽量かつ効率的になることから、分散デバイス間でのリアルタイム操作が必要な、データ集約型の環境に適している。
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React.js:仮想 DOM (ドキュメント オブジェクト モデル) を採用し、ビュー全体を再読み込みするのではなく、ページの変更された部分のみを再レンダリングすることでインタラクションと更新を最適化する。
ユースケース
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Node.js:Webサーバーやクライアント アプリケーションと対話する RESTful API など、スケーラビリティと高い同時実行性が必要なサーバーサイドアプリケーションの開発に適している。
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React.js:ステートの管理や応答性の高いリアルタイム更新が欠かせない、高度にインタラクティブな UIやWebアプリケーションの開発に最適。
開発モデル
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Node.js:モジュール型の非同期プログラミングを奨励しており、パッケージ管理用の npm などの広大なエコシステムに大きく依存している。
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React.js:コンポーネントベースのアーキテクチャを推進しており、それによってデベロッパーは、ステートを管理する再利用可能な UI コンポーネントを構築し、それを構成して複雑な UI を作成できるようになる。
Node.js と React.js の比較
実行環境
- Node.js:サーバー側でスクリプトを実行することから、JavaScriptはブラウザの外部で実行できるようになる。また、Node.js は主に API、サーバー ロジック、データベース操作、ネットワーク全体の非同期操作の処理などのバックエンド サービスに使われる。
- React.js:ユーザーのブラウザ内でクライアント側で動作し、インターフェースの対話を強化する。 Node.js を使ってサーバー側でレンダリングして、パフォーマンスと SEO を上げることもできる。
アーキテクチャ
- Node.js:イベント駆動型のノンブロッキング I/O モデルを利用することによって軽量かつ効率的になることから、分散デバイス間でのリアルタイム操作が必要な、データ集約型の環境に適している。
- React.js:仮想 DOM (ドキュメント オブジェクト モデル) を採用し、ビュー全体を再読み込みするのではなく、ページの変更された部分のみを再レンダリングすることでインタラクションと更新を最適化する。
ユースケース
- Node.js:Webサーバーやクライアント アプリケーションと対話する RESTful API など、スケーラビリティと高い同時実行性が必要なサーバーサイドアプリケーションの開発に適している。
- React.js:ステートの管理や応答性の高いリアルタイム更新が欠かせない、高度にインタラクティブな UIやWebアプリケーションの開発に最適。
開発モデル
- Node.js:モジュール型の非同期プログラミングを奨励しており、パッケージ管理用の npm などの広大なエコシステムに大きく依存している。
- React.js:コンポーネントベースのアーキテクチャを推進しており、それによってデベロッパーは、ステートを管理する再利用可能な UI コンポーネントを構築し、それを構成して複雑な UI を作成できるようになる。
Node.js と React.js の統合
Node.jsとReact.jsの役割
Node.js と React.js は独立して機能できますが、フルスタックJavaScriptアプリケーションでは一緒に使われることがよくあります。
Node.js はバックエンドとして機能することから、API リクエストの処理やデータベースとの対話、ファイルと React アプリケーションの提供を行うことができ、対する React はブラウザで実行されることから、UI の表示や、サーバーへの非同期呼び出しを行います。
JavaScriptの一貫性と効率化
この相乗効果により、デベロッパーはクライアント側とサーバー側の両方でJavaScriptを一貫して使えるようになることから、Web開発プロセスが効率化され、環境ごとに異なる言語を使う複雑さが軽減されます。
フルスタック開発の総合アプローチ
つまり、React.js は UI の構築やクライアント側での対話エクスペリエンス向上に重点が置かれており、それによってサーバー側での Node.js の機能が補完されます。
そしてこれらを組み合わせることで、最新のWebアプリケーションを開発するための総合的なアプローチが提供されるのです。
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