HTML と CSS – Web開発の基礎【2024年版】
HTML と CSS は、Web サイトを支えるテクノロジーの核の部分であり、それぞれに独自の目的があります。HTML(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)は 構造とコンテンツを提供することによって、Web ページの骨組みを作り、CSS(カスケーディング・スタイル・シート)はスタイリングとレイアウトを担うことから、色、フォント、レイアウトによって HTML に命を吹き込みます。
HTML と CSS の違いを理解するのは、Web デザイナーやデベロッパーには不可欠です。そこで本記事では、この両言語を掘り下げて、美しく機能的な Web サイトを作成するのに両者がどのように連動しているかを見ていきましょう。
UXPin は、HTML と CSS の両方を活用して、デザイナーがインタラクティブなコードベースのプロトタイプを作成するのをお手伝いするプロトタイピングツールです。UXPin をぜひ無料でお試しください。
HTML とは
HTML(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)は、Web 上のコンテンツの作成と構成に使われる標準的なマークアップ言語であり、全 Web ページのバックボーンとして機能し、Web サイトのレイアウトと構成を定めるフレームワークを提供します。また、HTML では、見出し、段落、リンク、画像、リストなど、Web ページのさまざまな部分を指定するために、一連の要素やタグが使われ、各要素は、ページ上のコンテンツの表示方法をブラウザに指示します。
1990年代初頭に開発された HTML は大きく進化しました。最新バージョンは HTML5 であり、このバージョンでは、マルチメディアのサポートの向上、より優れたセマンティック要素、より強力なフォームなど、さまざまな新機能が導入されたことで、ユーザー体験と Web サイトの機能性の両方が強化されました。
HTMLの本質は構造にあり、例えば、HTML ファイルは <!DOCTYPE html> 宣言で始まり、<html> タグが続きます。そして <html> タグの中には、<head> タグと <body> タグがあり、<head> にはタイトルやスタイルシートへのリンクのようなメタ情報が含まれ、<body> にはページ上の目に見えるすべてのコンテンツが含まれます。
HTML コードの例
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>My First Web Page</title>
</head>
<body>
<h1>Hello, World!</h1>
<p>This is my first web page using HTML.</p>
</body>
</html>
この例では、<h1> タグで見出しを作り、<p> タグで段落を作っています。このような HTML 要素は、Web ページの基本的な構成要素であり、CSS やJavaScript が後でスタイルを整えたり拡張したりするための構造を形成します。
HTML を理解するのは、Web のデザインや開発に携わる人にとって極めて重要であり、コンテンツ作成についてだけでなく、コンテンツが適切に構造化され、スクリーンリーダーやその他の支援技術を使っているユーザーなども含めてどんなユーザーでも確実にアクセスできるようにすることについての理解も重要です。さらに、構造化された HTML で、検索エンジンがコンテンツを理解し、効果的にインデックスできるようになります。
つまり、HTML は Web コンテンツ全ての基礎を築き、それで情報をどのように整理して表示するかを定める重要な構造を提供します。シンプルな Web ページ作成でも、複雑な Web アプリケーション作成でも、HTML をマスターするのは、オンラインプレゼンスがうまくいくための基本的なステップなのです。
CSS とは
CSS(カスケーディング・スタイル・シート)は、Web ページのプレゼンテーションとデザインを記述するのに使われる言語です。HTML が Web ページの構造とコンテンツを提供するのに対し、CSS はレイアウト、色、フォント、スペーシングなどのビジュアル・スタイルを担います。要するに、CSS は HTML に命を吹き込み、それでプレーンテキストは、ユーザー体験が上がるような視覚的に魅力的なコンテンツに変わります。
CSS は1990年代半ばに、スタイリングやデザインにおける HTML の限界に対処するために導入されました。
CSS が出てくる前は、スタイリングはすべて HTML の中で直接行わなければならず、繰り返しの多い煩雑なコードになっていましたが、CSS で デザイナーがコンテンツと体裁を分離できるようになったことで Web デザインに革命が起き、Web サイトの保全や更新がしやすくなりました。そして 最新バージョンの CSS3 では、アニメーション、グラデーション、トランジション、柔軟なレイアウトなどの高度な機能が導入され、よりダイナミックでレスポンシブな Web デザインが実現するようになりました。
CSS の核となる概念は、ルールと優先順位の階層に基づいてスタイルが適用されるカスケード性です。シンプルな CSS ルールは、HTML 要素をターゲットとするセレクタと、その要素のスタイリング・プロパティを指定する1つ以上の宣言を含む宣言ブロックから成ります。
CSSコードの例
body {
font-family: Arial, sans-serif;
background-color: #f0f0f0;
}
h1 {
color: #333333;
text-align: center;
}
この例では、ボディの セレクタはデフォルトのフォントと背景色を Web ページ全体に適用し、h1 セレクタはすべての <h1> 見出しを特定のテキスト色と配置でスタイルします。このアプローチにより、サイト全体で一貫したスタイルが実現し、CSS コードの修正だけでルック&フィールを変更しやすくなります。
CSS はまた、インライン、内部、外部というさまざまなスタイルの適用方法に対応しています。インラインスタイルは HTML 要素内に直接適用され、内部スタイルは HTML ドキュメントの <head> セクション内の <style> タグ内に定められ、外部スタイルは別の CSS ファイルを通してリンクされます。外部スタイルシートは、複数のページにわたってスタイルを管理する最も効率的な方法であり、それによって、コードはよりクリーンになり、更新はより簡単になります。
コンテンツとデザインが別々になることによって、デザイナーは CSS で、HTML の基本構造を変更することなく、視覚的に魅力的でユーザーに優しい Web サイトを作成できるようになります。また、CSS はレスポンシブ Web デザインにおいても重要な役割を果たし、ページをさまざまな画面サイズやデバイスに適応させることができます。そして CSS を使うと、メディア クエリと柔軟なグリッド レイアウトを使って、デスクトップ、タブレット、スマートフォンのいずれでも見栄えのよいサイトをデザインできます。
つまり、CSS は Web デザイナーやデベロッパーにとって非常に重要なツールであり、それで Web サイトのビジュアルプレゼンテーションをコントロールする手段を得られます。CSS を使いこなすことで、ユーザーを惹きつけてサイト全体の効果も上がるような、よりダイナミックで、レスポンシブで、見た目のきれいな Web 体験を作り出すことができるのです。
HTML と CSS – 5つの主な違い
HTML と CSS は、Web ページを作成し、スタイルを整えるために連動する2つの基本的な技術ですが、Web 開発においては、それぞれに目的や役割があります。なので両者の違いを理解するのは、Web サイトの構築やデザインを目指す人にとっては非常に重要です。
1.目的と機能
HTML と CSS の主な違いは、その目的にあります。HTML は、Web 上のコンテンツを構造化して整理するのに使われるマークアップ言語であり、見出し、段落、画像、リンク、リストなど、Web ページの要素を確定し、コンテンツをブラウザで表示するためのフレームワークを確立します。
対する CSS は HTML 要素のプレゼンテーションとレイアウトをコントロールするのに使われるスタイルシート言語です。色、フォント、間隔、配置など、Web ページの視覚的な側面を確定することで、デザイナーはコンテンツとデザインを切り離すことができるようになります。
2.構文と構造
HTML と CSS は構文と構造も異なります。HTML はタグベースの構文を使い、要素は山括弧(<>)で囲まれ (例: <h1>、<p>、<div>)、多くの場合、開始タグと終了タグがペアで使われます (例: <p>…</p>)。
このようなタグは、コンテンツの表示方法をブラウザに指示します。対する CSS はルールベースの構文を使い、各ルールは、HTML 要素を対象とするセレクタ(例:p、.class、#id)と、スタイリングプロパティ(例:color: blue; font-size: 16px;)を定める1つ以上の宣言を含む宣言ブロックから成ます。この分離により、一つのスタイルシートを複数の HTML ドキュメントに適用できるため、CSS はより柔軟で再利用可能になります。
3.依存と関係
HTML と CSS は相互補完的でありながら相互依存的な関係にあります。HTML は CSS なしでも存在できますが、HTML だけで作られた Web ページは地味で視覚的な魅力に欠けます。逆に CSS は、スタイルを適用するのに HTML 要素に依存するため、機能するには HTML が必要です。
なので、HTML と CSS を組み合わせると、 HTML で構造とコンテンツができ、CSS でスタイルと視覚的な強化が加わって、完全でまとまりのある Web ページが完成します。このような関係性の分離は、Web 開発における重要な原則であり、それでコードはよりクリーンで保守性が高く、スケーラブルになります。
4.実施とメンテナンス
もうひとつの大きな違いに、HTML と CSS の実装方法とメンテナンス方法が挙げられます。HTML は Web ページの HTML ファイル内に直接記述されることから、コンテンツと一体化しています。対する CSS は、インライン(HTML 要素内)、内部(HTML ドキュメント内の <style> タグ内)、外部(HTML ドキュメントにリンクされた別の CSS ファイル内)の3つの方法で実装されます。
外部 CSS ファイルは、デザインを一元管理できるため、複数のページにわたってスタイルを管理する最も効率的な方法です。この方法では、1つの CSS ファイルへの変更が即座にサイト全体に影響するため、Web サイトの外観の更新と保全がしやすくなります。
5.UX と SEO への影響
HTML と CSS は、UX(ユーザーエクスペリエンス)と SEO(検索エンジン最適化)に与える影響も違います。構造化された HTML で、検索エンジンは Web ページのコンテンツを理解してインデックスすることができるため、アクセシビリティと SEO にとって極めて重要です。また、セマンティック HTML タグ(<header>、<article>、<footer>など)を適切に使うことで、スクリーンリーダーに対する Web ページのアクセシビリティが上がり、検索エンジンにコンテンツに関する詳細なコンテキストが提供されることで、SEO が強化されます。
一方 CSS は、SEO には直接影響しませんが、UX において重要な役割を果たします。CSS で、Web ページが視覚的に魅力的で、レスポンシブで、さまざまな画面サイズやデバイスに適応することが保証され、それで直帰率が下がり、全体的なエンゲージメントが上がります。
HTML と CSS の連動
HTML と CSS は、視覚的に魅力的で構造化された Web ページの作成のために連動して動作するように設計されています。HTML で Web ページの基盤となる構造とコンテンツが得られ、CSS で HTML 要素にスタイルが適用されることによって視覚的な外観がよくなります。この構造とスタイルの組み合わせで Web ページに生命が吹き込まれることによって、機能性と美しさの両方がもたらされるのです。
コンテンツとプレゼンテーションの分離
現代の Web 開発の基本原則のひとつは、コンテンツとプレゼンテーションの分離であり、これは HTML と CSS を併用することで実現されます。HTML は、タグと要素を使って Web ページのコンテンツと構造を定めることに重点を置いています。その要素は、テキスト、画像、リンクなど、さまざまなコンテンツが表示される場所を概要するものです。
一方、CSS はその HTML 要素のスタイル付けに使われ、ページ上での見た目や動作を指定します。HTML と CSS を分離しておくことで、デベロッパーはよりすっきりと整理されたコードを維持することができることから、もう一方に影響を与えることなく、コンテンツとスタイルの片方だけの更新や変更がしやすくなります。
HTML に CSS を適用する
CSS は、インライン、内部、外部といった方法で HTML に適用できます。インライン CSS は、style 属性を使って HTML 要素内に直接追加されることから、特定のスタイルをサッと適用でき、内部 CSS は、HTML ドキュメントの <head> セクションの <style> タグ内で定められ、それで特定のページにスタイルを適用し、外部 CSS では、<link> タグを使って HTML ドキュメントを別の CSS ファイルにリンクします。
また、外部スタイルシートは、複数のページで一貫したスタイルを維持でき、メンテナンスもしやすいため、特に大規模な Web サイトでは最も効率的な方法となります。例えば、外部 CSS ファイルでは、CSS を一度変更するだけで、そのスタイルシートを使っているページそれぞれに反映させることができます。
カスケードと継承
CSS(Cascading Style Sheets)の 「Cascading 」とは、CSS ルールがルールと優先順位の階層に基づいて HTML 要素に適用される方法のことをいいます。複数の CSS ルールが要素に適用される可能性がある場合、ブラウザは特異性、重要性、ソースの順序に基づいて、どのルールが優先されるかを決定します。このカスケーディングの性質により、スタイリングを柔軟かつ正確にコントロールすることができます。
また、CSS は継承もサポートしており、親要素で定めれた特定のプロパティが自動的に子要素に受け継がれるため、冗長なコードの必要性が減り、Web ページ全体で一貫したデザインが維持されやすくなります。
HTML と CSS の連動例
HTML と CSS がどのように連動するかを見ていくのに、ヘッダーと段落のあるWeb ページの簡単な例を考えてみましょう:
HTML:
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<link rel="stylesheet" href="styles.css">
</head>
<body>
<h1>Welcome to My Website</h1>
<p>This is a simple example of HTML and CSS working together.</p>
</body>
</html>
CSS (styles.css)
body {
font-family: Arial, sans-serif;
background-color: #f0f0f0;
color: #333;
margin: 0;
padding: 20px;
}
h1 {
color: #005f99;
text-align: center;
}
p {
font-size: 16px;
line-height: 1.5;
}
この例では、HTML ファイルは <h1> をヘッダーに、<p> を段落に使ってコンテンツを構成しています。次に、CSS ファイル(styles.css)がその要素にスタイルを設定し、ページの背景色、フォントファミリー、<h1> と <p> 要素の特定のスタイルを設定します。
HTML と CSS ファイルはシームレスに連動し、HTML はコンテンツを提供して、CSS はプレゼンテーションを整えます。
HTML と CSS による UX の向上
HTML と CSS を併用することで、デベロッパーは機能的で視覚的に魅力的な Web ページを作成することができます。HTML で、検索エンジンや支援技術が頼りにするセマンティック構造を得られることから、アクセシビリティと SEO が上がります。そして CSS で、コンテンツがより魅力的に、ナビゲートしやすくなるスタイリングになり、この構造が強化されます。これが組み合わさると、Web ページの見栄えがよくなり、さまざまなデバイスや画面サイズで優れたパフォーマンスが発揮され、全体的な UX が上がります。
つまり、HTML と CSS は、現代の Web 構築のために連動する補完的な技術だということです。HTML は Web ページのコンテンツと構造を定め、CSS はスタイリングとレイアウトを提供することから、Web は視覚的に魅力的なものになります。HTML と CSS の相互作用を理解することで、Web デザイナーやデベロッパーは、効率的で保守性が高く、機能性も美しさも両方のニーズを満たす美しい Web サイトを作成することができるのです。
HTML と CSS – 2024年現在でも有効か
Web 開発の急速な進化にもかかわらず、HTML と CSS は2024年においても基本技術であり続けており、Web の構成要素として、HTML はコンテンツを構造化し、CSS はスタイリングとレイアウトを処理します。そして 最新バージョンの HTML5 と CSS3 では、レスポンシブデザインや高度なレイアウト、マルチメディアサポートなどの機能が導入されたことから、最新の Web 標準との互換性が保証されます。
HTML と CSS は、SEO とアクセシビリティにとっても重要です。HTML で検索エンジンや支援技術が頼りにするセマンティックな構造を得られ、CSS でユーザビリティを上げる視覚的な調整ができるようになります、また、ブラウザ間での普遍的な互換性により、Web サイトが幅広いユーザーに届くことが保証され、あらゆるデベロッパーのツールキットに欠かせないツールとなります。
HTML と CSS の習得は、より高度な技術の基礎となるため、Web デベロッパーにとって今でも基本的なスキルです。Web 開発が進化し続ける中、HTML と CSS は、インタラクティブでユーザーに優しい Web サイトを作成するのに、適切で適応性があり、非常に重要なものとなっています。
UXPin でコードバックされたプロトタイプを作ろう
要するに、HTML と CSS はどちらも Web サイトの構築やデザインに非常に重要なものですが、その役割や機能はそれぞれ異なり、HTML で Web ページの構造とコンテンツがもたらされ、CSS でそのプレゼンテーションとスタイルがコントロールされます。この重要な違いを理解することで、Web デザイナーやデベロッパーは両方の技術を効果的に使って、機能的でアクセスしやすいだけでなく、視覚的にも魅力的でレスポンシブな Web ページを作成することができるのです。
UXPin は、実際の HTML、CSS、JavaScript を使ってインタラクティブなプロトタイプを作成します。UXPin でデザインすると、単なる視覚的な表現で作るのでなく、実際のコードを使って構築することができます。つまり、UXPin でデザインした要素は、実際の Web環境と同じように動作することから、より忠実なユーザー体験を得られるということです。例えば、UXPin で作成したボタンには、検査や変更ができる実際の HTML と CSS のプロパティがあります。UXPin をぜひ無料でお試しください。