製品 を5つのステップでデザインする方法
デザインの品質は、視覚的な魅力だけでなく、製品の商業的成功にも大きく影響します。マッキンゼー社の調査によれば、デザイン思考を取り入れると収益が35%増加し、デザインを軽視する企業に比べて56%も高い収益が得られるとのことです。では、「正しい」製品デザインを行うためには何が必要か、これから詳しく解説していきます。
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製品のデザイン法 – 5つのステップ
どのデザインプロセスでも、ユーザビリティを重視することが不可欠です。製品デザインの5つのステップを紹介しますが、これらは単なる段階ではなく、製品改良と共に継続的に実行される必要がある点に注意が必要です。
ステップ1:共感
製品デザインの最初で最も重要なステップは「共感」を示し、ユーザーの経験やニーズを深く理解することです。
個人的なバイアスは排除し、ターゲットユーザーを知るために、アンケートやインタビューで定性データを集めたり、自然な環境でユーザーの行動を観察するモデレートされていないテストを活用することが有効です。
アクセスしにくいユーザーグループ向けにデザインする際は、その分野の専門家に相談してニーズや問題を理解しましょう。デザイナーが心理学者や社会学者、人類学者と協力することで、ユーザーの社会的・文化的背景を把握し、よりユーザーに配慮したソリューションが実現できます。
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ステップ2:定義
製品をデザインする方法を学ぶ2つ目のステップは、明確な問題提起の作成です。この段階では、「共感する」段階で集めたインサイトを活用し、製品で解決したい課題を定義します。
そのステートメントは以下のようであるべきです:
- 人間中心:ユーザー視点でニーズや目標を強調し、ターゲットユーザーに響くものにする。
- 具体性と柔軟性のバランス:明確な指針を示しつつ、創造的な解決策の余地を残す。これにより、デザイナーはアイデアを生み出す能力が制限されることなく、明確な方向性を持つことができる。
また、問題提起は短文でも記述形式でもよく、「[ユーザーX]は、[インサイト]による[行動の説明]をする必要がある」といったポイント・オブ・ビュー・マドリブというテンプレートも有効です。
よく定められた問題文の例を以下に挙げてみましょう:
- 登録フォームの多さが原因でサインアップを放棄するユーザーが増えている。プロセスの効率化が必要。
- 新規顧客は料金体系が分かりにくいことから、価格ページの直帰率が高く、各プランの比較が困難という声があがっている。
- フィルタリング機能が不足しており、IMDbスコアでの絞り込みができない問題がある。
製品デザインの最初のステップでは、こうした具体的なユーザー課題を把握し、解決策を導き出すことが重要です。
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ステップ3:アイデア出し
製品デザインの3つ目のステップ「アイデア出し」では、共感と問題定義を基に、新たな解決策を模索します。
スケッチを用いてアイデアを視覚化し、コンセプトを繰り返し改善することが重要です。
Googleの「クレイジー8」や「4ステップスケッチ」などの手法を活用し、制限時間を設けてブレーンストーミングを行うと、チームの集中力と生産性が向上します。
アイデアを検討した後、実行が現実的でないものを排除し、次に進めるアイデアを1つに絞ります。
そのアイデアをユーザーストーリーとして組み立て、次のテンプレートを使用します:
「[ユーザー]として、[Y]が[X]になるようにしたい」。これにより、目標が明確化され、デザイナーは実行可能なタスクに集中できます。
例えば以下のようになります:
「[顧客]としては、[注文を完了するたびにクレジットカードに手を伸ばす必要がない]ように、[アプリを通じて支払い]たい。」
ユーザーストーリーで目標を明確にし、実行可能なタスクを確定することで、デザイナーは「どのように」に集中できます。
効果的な製品デザインには、ワイヤーフレーム作成前の事前調査が不可欠です。現状に挑戦することで革新を見つけ出し、ユーザーストーリーを活用することで、プロトタイプ段階への明確なロードマップを作成できます。
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ステップ4:プロトタイプ
プロトタイプ作成では、アイデアを具体的でテスト可能な形にし、潜在的な課題を特定します。これにより、最終製品がユーザーの期待に応えることが保証されます。
プロトタイプは、Lo-Fi(低忠実度)とHi-Fi(高忠実度)の2種類があります。
Lo-Fi プロトタイプ
Lo-Fi(低忠実度)プロトタイプとは、色やコンテンツのないシンプルな手描き、または基本的なデジタルワイヤーフレームのことであり、これで UX チームは画面レイアウトの視覚化やナビゲーションのテストし、ユーザーフローの評価をするができます。例えば、カート、配送、支払いモジュールなどの典型的な Eコマースのチェックアウトフローは、Lo-Fi プロトタイプとして表現することができます。
ニールセン・ノーマン・グループによると、Lo-Fi プロトタイプで、デザイナーはより速く反復できたり、ステークホルダーの賛同を得ることができます。また、Lo-Fi プロトタイプは美しさよりも機能性を重視することを奨励しています。
Hi-Fi プロトタイプ
Hi-Fi(高忠実度)プロトタイプには、色、コンテンツ、インタラクション、トランジション、アニメーションが組み込まれており、これでより没入感のあるユーザー体験が生み出されます。つまり、最終的な製品に酷似しているということです。また、ユーザーやステークホルダーにとってより親近感が湧くため、より価値のあるデザインフィードバックが集まる可能性も高くなります。
さらに、Hi-Fi プロトタイプは、ユーザビリティの問題を指摘するのに最適です。Lo-Fi バージョンだと、それが見落とされたり、説明されなかったりする可能性があることに注意しておきましょう。
Hi-Fiプロトタイプ作成には、UXPin Mergeが有効なツールです。これにより、デザイナーはStorybookやNPMなどからコード化されたUIコンポーネントを使用し、実物に近いプロトタイプを効率的に作成できます。これらのコンポーネントはデザインシステムに準拠し、最終製品と同様に見え、機能します。
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ステップ5:テスト
製品デザインの第5段階であるテストでは、製品の有効性を評価し、問題を特定・改善します。この段階では、プロトタイプが問題をどの程度解決できるかを判断し、適切なリサーチ方法を用いてフィードバックやインサイトを収集・文書化します。
ユーザビリティテスト手法は色々ありますが、大まかには以下の2つのカテゴリーに絞ることができます:
- モデレートテスト:進行役と参加者が直接やり取りする。ユーザーは、ユーザーパネルから PDF レポートをダウンロードするなどのタスクを完了するよう求められ、各ステップで実行していることについてのコメントをお願いされたり、ファシリテーターから質問を受けたりする場合がある。
- 非モデレートテスト:進行役が同席しないテストであるが、参加者には従うべき指示のリストが渡される。
幸いなことに、ユーザビリティテストに多額の投資は必要なく、ニールセン・ノーマン・グループのヤコブ・ニールセン氏によると、わずか5人のユーザーでテストを行うだけで、すべての問題の85%を発見することができます。
製品デザインの評価は、ユーザビリティテストに限定されず、プロトタイプを共有して非同期にフィードバックを得る方法もあります。
コメント機能を使えば、ユーザーはUX全体や細部について簡単にコメント可能です。UXPinなどのツールを活用すれば、具体的なフィードバックを効率的に収集でき、最終製品のエラーを減らせます。
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製品デザインのプロセスを正しく行う
製品デザインには万能な方法はなく、市場やユーザーの課題に応じたプロセスが必要です。重要なのは、ユーザーのニーズと目標を深く理解し、それを基にデザインを進めることです。また、デザインはチーム全員の共同作業であり、全員が同じ目標に向かうことが成功の鍵となります。
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