アプリのパーソナライゼーション – その意味と重要性を解説!

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2021年、iOSおよびGoogle Playのアプリストアのダウンロード数は約1400億になり、わずか2年で20%の伸びを記録しました。多くの需要に対応している結果ですね!ただ、市場にはさまざまな選択肢があるため、今日のアプリユーザーが求めているのは、単に「正しく動作するアプリ」だけではありません。彼らは、自分たちの具体的で個別のニーズに沿ったUXを求めているのです。

一部のアプリデザイナーが「これ1つで全て賄える」モデルで失敗している中、ユーザーが切望するレベルの「パーソナライゼーション」とアプリの「カスタマイズ」を確実に実現するにはどうすればいいのでしょうか。  

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アプリのパーソナライゼーションとは

  アプリのパーソナライゼーションは、最も基本的なレベルでは「特定のオーディエンスの独自のニーズを満たすアプリを構築するプロセス」であると定義することができます。  

ただし、例えば「色々なオーディエンスがどのようなパーソナライゼーションの要素を求めているかを知る方法は?」や「既存のUXに満足してもらうには?」、「どのアプリのカスタマイズ要素が他の要素よりも重要?」など、それ以上に重要なことがもう少しあります。  

現在、利用可能なツールや分析の数が増え続けているおかげで、最高級のカスタマイズオプションやパーソナライゼーション機能を備えたアプリの開発はしやすくなってきています。

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ユーザーが登録後に受け取るフィードバックを充実させたり、予測アルゴリズムを使ってユーザーのモチベーションや興味を引き出したり、アプリのパーソナライゼーションは、創造性と革新的な考え方を必要とするデータ駆動型のアートに進化しているのです。  

アプリのパーソナライゼーションが重要な理由

  モバイルアプリで、圧倒的多数の消費者が求めているものは、ユーザーの履歴や興味、好みに応じて、必要な商品やサービスを提供するアプリ1つです。なのでパーソナライゼーションを誤ると、アプリが台無しになります。  

CX(顧客体験)は、いかに顧客のためにジャーニーをパーソナライズ化できるかによって左右されます。ありきたりで個性のないプロセスは時代遅れで、ユーザーが寄り付かないことが知られている一方で、利便性、簡単さ、効率性を追求したアプリが主役に躍り出ています。

アプリのパーソナライゼーションを促すための興味深いデータが、あらゆる研究や調査事例で指摘されています。58%の人は、自分のことを覚えてくれている企業に対して、より好感を抱いています。また、3分の2は、ブランドは自分のニーズを伝えなくてもわかっていると期待しており、4分の3近く(72%)の顧客は、パーソナライズ化されたメッセージを提供するブランドとのみ取引を行いたいと思っています。

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企業もそのことに注目しています。マーケティング担当はその先頭に立ち、60%が自社のコンテンツは広範囲にパーソナライズ化されていると回答しており、2022年では、84%の企業が、豊富なUX(ユーザーエクスペリエンス)の実現にはパーソナライゼーションが不可欠であると認識しています。  

ユーザーは、自分が重要な存在であり、ネットワーク上の単なる番号以上の存在であると感じたいと思っています。そうなると、ユーザのーエンゲージメントが鍵になり、サインアップや購入に対して単に名前を挙げて感謝する以上のことを行えるようにすることが、モバイルアプリの個別化戦略を正しく行うための秘訣になるのです。

モバイルのパーソナライゼーション、セグメンテーション、カスタマイズ

  モバイルアプリのパーソナライゼーションを効果的に行うためには、まずさまざまなユーザーアプリのセグメントとその役割を理解し、効果的な戦略を策定しなければいけません。  

「パーソナライゼーション」と「カスタマイズ」は同じ意味で使われていますが、違うものです。どちらも、エンゲージメントを高めるためにユーザー体験をどのようにデザインするかという概念ですが、根本的なレベルでは、以下のようにそれぞれ異なる結果をもたらすものなのです。:  

  • パーソナライゼーションブランドや企業、データ分析によってデジタル技術やツールを活用して、既存顧客や見込み顧客に対する商品提供やダイレクトメッセージを個別化することであり、顧客に何かが届く前に行われ、ブランドや企業の責任となる。
  • カスタマイズ顧客が自分の好みや要求を入力して、製品やサービスを自分のニーズに合わせて変更できるようにするプロセスであり、リアルタイムで行われるが、ブランドは消費者がそうできるような環境整備が必要。

  以下は、【パーソナライゼーション】と【カスタマイズ】の具体的な例です:  

”ABC ブランドは、全国の店舗でコーヒーを販売しており、ユーザーはアプリで注文することができます。ユーザーが注文時にクリームや砂糖、豆乳、トッピングなどを追加するオプションがあれば、それは「カスタマイズ」と言えるでしょう。一方、アプリを開いたら、あなたが好きなコーヒー3種類、お気に入りの店舗、いつもカフェインを摂取する時間帯がすでに分かっているとあれば、それは「パーソナライゼーション」になります。”

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しかし、アプリをパーソナライズ化するのに必要なデータへのアクセス、ひいてはカスタマイズのレベルを確保するためには、まず、誰をターゲットにしているのかの把握が必要です。つまり、ユーザーとアプリのセグメントについて知る必要があるのです。  

「効果的なパーソナライゼーション」と「包括的なカスタマイズ」の両方を実現するには、エンゲージメントを促すUXの提供が前提になります。ただ、その実現にはターゲットとなるオーディエンスを理解する必要がありますが、セグメンテーションでそれが可能になります。  

  • ユーザーセグメンテーション:ターゲット市場を、共通の興味やニーズ、嗜好に基づいて、より小さく、より管理しやすい顧客グループに分割(セグメンテーション)するプロセス。

  セグメンテーションには、多くの考慮事項、基準、要素が含まれ、効果的な実行が難しい場合があります。以下のような最も一般的な要素のどれに従って市場をセグメンテーションする際にも、常にアプリのニーズと目的を念頭に置きましょう。  

  • デモグラフィック:顧客の年齢、性別、収入レベル、雇用形態、人種などに関連し、それによってブランドは、識別しやすい主要な要素に基づいて、さまざまなグループの人々が何を求めているかが把握できる。
  • 地理的位置:人の物理的な位置情報を指し、アプリはこの情報にアクセスし、人々の居住地や勤務地、普段よく過ごす場所を知ることができる。
  • 生涯収益:顧客がどれくらいの期間で顧客だったのかを把握することができ、また、これでどのグループが他のグループより多く消費しているかもわかることから、デベロッパーは各グループに異なる影響を与えるUXをデザインすることができる。
  • 心理的属性:顧客がどのような人であるかを定義する、顧客自体を表す一部であり、文化的アイデンティティ、世界観、政治的傾向、そして宗教的要素などが含まれる。人がアプリに関連するブランドから何を期待するかで重要な役割を果たす。
  • 行動セグメンテーション市場の人々がどのように行動しているかについての貴重なインサイトを提供。アプリの場合、画面占有時間、直帰率、アプリの保持率、画面上のホットスポットなどを調べ、そのデータは、ユーザーの行動を把握してアプリのパーソナライゼーションを適切に行うのに不可欠である。
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心理的属性と行動セグメンテーションは、アプリに関連する消費者情報を提供することに特化しているため、アプリのパーソナライゼーションのUXを追求するデザイナーにとっては欠かせません。デベロッパーは、こういったメトリクスから主要なユーザーのニーズと目標を特定し、モバイルアプリ体験をより効果的にカスタマイズしてパーソナライズ化するといいでしょう。  

モバイルアプリをパーソナライズ化する方法

  どのユーザーグループに焦点を当てるべきかがわかれば、モバイルアプリのデザインとパーソナライゼーション戦略をどのように進めるべきか、よりハッキリしてくるでしょう。  

1. ユーザーセグメントを活用する

  アプリのセグメントをより深く理解する努力をした後は、各セグメントは相応の注意が払われなければいけません。それが、アプリのカスタマイズとパーソナライゼーションの優れた点であり、それぞれにパーソナライズ化された体験を提供することができるのです。  

アプリのROI(投資利益率)と持続力は、すべてのユーザーに最も包括的でやりがいのあるUXを提供できるかどうかに大きく依存します。でもリソースは限られたものであり、そうなると最も収益性の高い貴重な顧客を優先させたいと思うでしょう。そこで、各グループの「ニーズ」と期待される「リターン」をバランスよく満たすパーソナライゼーション戦略に投資するのです。  

2. オンボーディング体験に磨きをかける

  特にアプリでは第一印象が重要なので、ユーザーのオンボーディングに注意を払いましょう。この見落とされがちなモバイルアプリのパーソナライゼーションの要素は、ユーザーの安定的な定着とアプリのエンゲージメント率を高く保つために重要です。  

まず始めにユーザーの名前を聞き(ただし、個人に関わる不必要な質問をしすぎないようにしましょう)、必要に応じてそれを使います。アップグレード機能の無料体験や、アプリ内課金の早期割引を提供し、使い続けるようにふわっと促すことも忘れないようにしましょう。  

3. パーソナライゼーションがうまく反映されたコンテンツを作る

  ここで、モバイルアプリのパーソナライゼーションが重要な役割を果たします。ユーザーのあらゆるニーズに対応するために、アプリと綿密に調査されたデジタルコンテンツをカスタマイズしましょう。そうすると、これまでのやり取りやユーザーの関心事が反映され、ユーザーの要望を先取りするようになっているはずです。

さまざまなアプローチでイノベーションを起こし、基本的なパーソナライズ化と、ユーザーに感動と喜びを与える特性のバランスをとる方法を探しましょう。関連性が重要なので、リサーチとセグメントのデータを有効活用しましょう。  

4. プッシュ通知を有効にする

  プッシュ通知は、アプリがデバイス上で注目されるための方法です。ただし、アプリの「推し」加減や、関連するコンテンツの宣伝には十分注意しましょう。  

モバイルユーザーは、特典、製品のオススメ、ニュースフィードからのハイライトや位置情報、アプリ自体に関連する重要な情報、自分の興味に関する最新情報など、自分に役立つ適切な通知を高く評価することから、そのためには、ユーザーの好みに合わせた通知の調整が重要です。  

5. アプリの枠を超えたパーソナライゼーション

  アプリの枠を超えて、パーソナライズ化されたアプリ体験を実現することができます。それにより、ブランドへのロイヤリティが高まり、効果的なパーソナライゼーションへの取り組みが実証されます。  

アプリの利用状況を把握していることを示すメールマーケティングは、エンゲージメントを復活させるには貴重なチャンスとなります。また、アプリユーザーがアプリを中断した場所から再開できるような通知や、アプリの新機能や製品の提供を思い出させる通知も、パーソナライゼーションの優れた動機付けとなります。  

例えば、Duolingoでは、進捗に応じてユーザーに報酬が与えられ、高度にパーソナライズ化されたメールやリマインダーによって、ユーザーの継続を促しています。  

モバイルのパーソナライゼーションに取り組む最善の方法

  アプリのパーソナライゼーションに取り掛かる前に出発点が必要ですが、プロトタイプは、開発に着手する前にアプリをテスト、改良、完成させるための最も効果的かつ効率的な方法の1つと考えられています(特にパーソナライゼーションの分野ではそうです)。  

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