UXデザインでエンゲージメントを向上させる7つの方法

UXデザインでエンゲージメントを向上させる7つの方法

モバイルアプリの競争は熾烈で、何百万ものデジタル製品が世間の限りある注目を集めようと競い合っています。そして多くの製品開発チームにとって、アプリのエンゲージメントを上げるのは最優先事項であり、ユーザーを維持し楽しませる革新的な方法を常に模索しています。

UX デザイナーは、様々なデザインと心理テクニックを駆使して、アプリのユーザーを惹きつけるのに非常に重要な役割を担っています。また、プロトタイプとテストは、デザイナーがユーザビリティの問題や、より高いエンゲージメントにつながるビジネスチャンスを修正するのに不可欠です。

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アプリの エンゲージメント が重要な理由

アプリのエンゲージメントは、収益、ブランドロイヤルティ、リテンション(維持)、そして最も重要な企業の評価など、他の多くの要素に影響を与えるため、ビジネス価値の指標として極めて重要です。

アプリのエンゲージメントが非常に重要な理由として、以下の4つが挙げられます:

  • 収益:アプリが広告モデルであれ有料モデルであれ、大体はエンゲージメントが高ければ収益も高くなる。
  • リテンション(維持):エンゲージメントが高いということは、その製品がユーザーから日常生活において信頼されていることを示す良い兆候であることから、リテンションとCLV(顧客生涯価値)の向上につながる。
  • ブランドとの相性:エンゲージメントの向上はブランドとの相性の向上につながり、NPS(ネットプロモータースコア)や CSAT(顧客満足度)といった主要なビジネス指標に影響を与える。このようなスコアが上がるということは、顧客が製品経験を(口コミのように)共有して、それが無料の宣伝になってくれるということになる。
  • データと調査:エンゲージメントを上げることでデータ分析が充実し、それで製品チームはユーザーの行動をよりよく理解し、成長のためにそれを最適化することができる。

アプリのいいエンゲージメント率とは

いいアプリのエンゲージメント率は、製品、業界、ニッチ、市場、ユーザーなどの多くの要因によって決まり、リサーチャーは、UXベンチマークを使って、正しいアプリのエンゲージメント業界標準を計算して、製品のパフォーマンスに対してこれを測定します。

アプリのエンゲージメント率の計算式は単純です:

月間アクティブユーザー数 ➗ 総ユーザー数 ✖ 100

また、MAU(月次アクティブユーザー数)を DAU(日次アクティブユーザー)に置き換えることで、日次エンゲージメントについても同じ式を使うことができます。

アプリのエンゲージメント向上における UX チームの役割

UX デザイナーは、アプリのエンゲージメントとユーザーリテンションにおいて重要な役割を果たします。そして直感的な UI と、ユーザーがタスクを完了して効率的に問題を解決できるように設計された機能だと、楽しい体験が生み出され、エンゲージメントが上がります。

また、プロトタイプとテスト中に、デザイナーは障害物を特定し、ユーザーフローを効率化して、製品をより直感的で使いやすくすることができます。

UXデザイナーのためのアプリエンゲージメント指標

designops efficiency arrow

ここでは、UX デザイナーがパフォーマンスを測るのに使える KPI(主要業績評価指標)をいくつか挙げてみましょう:

  • 維持率:アプリケーションを使い続けるユーザーの割合
  • チャーン率:アプリケーションの使用を停止したユーザー数
  • 平均セッション時間:ユーザーが1回のセッションでアプリを使用する平均時間 
  • DAU(日次アクティブユーザー):1暦日にアプリを開いたユーザー数
  • MAU(月間アクティブユーザー数):30日間にアプリを開いたユーザー数
  • スティッキネス:ユーザーがアプリに戻る頻度を示すラジオまたはパーセンテージ
  • ユーザーエンゲージメント率:アプリ内で特定のアクションを完了したアクティブユーザーの数
  • プッシュ通知の開封率:通知を開いたアプリユーザーの割合(全体および通知タイプ別)
  • アプリレビュー:アプリストアや Trustpilot のようなプラットフォームでレビューを残すユーザーの割合

デザインチームは、デザインの決定がどのようにビジネス価値を生み出して ROI(投資対効果)をもたらすかを実証すべく、デザインプロジェクトの前後でこのようなアプリのエンゲージメント指標を測らないといけません。

UX デザイナーはアプリのエンゲージメント向上にどう貢献できるか?

user search user centered

段階的開示

段階的開示とは、1つのタスクやアクションを完了するのに最も重要な機能やオプションのみをユーザーに見せるデザインテクニックです。例えば、多くの ECストアでは、認知的な過負荷を最小限に抑えるために、商品説明やその他の情報がアコーディオンの後ろに隠されていることが多く、それでユーザーはその情報を見るか見ないかを選択することができます。

段階的開示によって、以下のようになることでアプリのエンゲージメントが上がります:

  • 製品についての情報取得やナビゲーションがしやすくなる
  • 重要度の低い機能がセカンドスクリーンに配置されることで、ユーザーがより早くタスクを完了できるようになる。
  • ミスが減り、より楽しいユーザー体験が生み出される。

アプリのオンボーディングプロセスを効率化

ユーザーがオンボーディングプロセスで行き詰まっているようでは、アプリのエンゲージメントを見ても意味がありません。なのでデザイナーは、新しいユーザーができるだけ早く製品を使い始め、その利点を体験できるように、障害物を取り除くことを目指さないといけません。

デザイナーがアプリのオンボーディングを効率化する方法としては、以下が挙げれられます:

  • Facebook、Google、LinkedIn などの広く使われている SNS のアカウントを使って、ユーザーがサインアップできるようにする。
  • ユーザーが初めてログインする際に、簡単な製品紹介で機能を説明し、ドキュメントの確認作業を減らす。

  • ユーザーが問題をサッと解決できるように、フォームフィールドに実用的なヘルパーテキストとエラーメッセージを用意する。

ゲーミフィケーションの導入

ゲーミフィケーションは、顧客エンゲージメントを上げるために実証された方法であり、多くの製品でバッジやポイントが使われていますが、エンゲージメントに対してユーザーが報酬を得られる微妙な方法もあります。

例えば Grammarly では、ユーザーの生産性、習得度、語彙力の他のユーザーとの比較が表示されている「週間ライティングアップデート(Your Weekly Writing Update)」というニュースレターが毎週送られます。

gamification in grammarly for increasing app engagement

このニュースレターの素晴らしい点は、シンプルで、製品分析が使われているため、低コストで実装も簡単なことです。また、このアップデートはプレミアムユーザー向けのメールにのみ存在するため、Grammarly のUIに不要なデータが追加されることはありません。

個別化されたユーザー体験を作る

アプリのパーソナライゼーションで、ユーザーはデザイナーが自分のために特別に製品を作ってくれたように感じます。パーソナライゼーションは、UI に名前を追加するだけではありません。例えばブラウザのシークレット モードを使って YouTube にアクセスしたことがあれば、さまざまなおすすめが表示されるはずですが、そのほとんどは視聴する気のないものです。

YouTube やその他のSNSプラットフォームでは、パーソナライゼーションを使って、閲覧履歴に基づいたコンテンツがオススメされるので、同じ外観のホームページはありません。それでユーザーが興味を持つコンテンツや機能が提示されると、必要なものがすべて目の前に表示されるため、エンゲージメントが上がります。

パーソナライズされたアプリ体験を生み出すためのヒントを以下に3つ挙げましょう:

  1. ユーザーが最近訪れた機能やコンテンツをホーム画面に表示すると、ユーザーは未完了のタスクを続けたり、作業中のプロジェクトを戻したりできる。
  2. 閲覧履歴を使って、ユーザーが何をしたいかを予測する。たとえば、予算管理アプリでは、ユーザーが夜にアプリを開いたときに、その日の支出を追加するように促すといいかもしれない。
  3. たとえば、ユーザーは新しいプロジェクトやタスクに合わせてプロジェクト管理ダッシュボードを定期的に再編成したいなどがあるかもしれないことから、ユーザーが UI のレイアウトとウィジェットをカスタマイズして、コンテンツの優先順位を付けたり整理したりできるようにする。

マイクロインタラクションを使って没入感のあるユーザー体験を作る

デザイナーはマイクロインタラクションやアニメーションを使って、ユーザーを惹きつけて楽しませます。たとえば、Instagram の投稿をダブルタップすると赤いハートが表示されるのですが、これは本当にやみつきになります!

マイクロインタラクションがアプリのエンゲージメントを上げる例には、以下のようなものが挙げられます:

  • プログレスバーで進捗状況を表示し、ユーザーのタスク完了を促す。
  • 未完了のタスク、アプリ内のメッセージ、またはユーザーの注意が必要なアイテムをユーザーに思い出させる便利なプッシュ通知。
  • コンテンツを閲覧しながらユーザーの興味を維持する無限スクロールやスワイプ アニメーション。
  • 短いお祝いアニメーションで、タスクを完了したユーザーに達成感がもたらされ、それでアプリの継続使用や次のタスクへの移行が促される。

希少性とFOMOを利用してユーザーを惹きつける

2019年にサービス開始されたソーシャルオーディオアプリ「Clubhouse」は、招待制のアプリでした。その際、各ユーザーが送信できる招待の数には限りがあり、参加希望者に希少性と FOMO(取り残される不安)がもたらされました。

この希少性により、ユーザーは他のソーシャル プラットフォーム上の友人やフォロワーに直接体験を語れるように最も人気のある会話に「参加」したいと思っていたことから、エンゲージメントを維持できました。

また、多くの出会い系アプリは、無料プランでユーザーが完了できる「いいね!」の数を制限しています。この希少性には以下の2つの効果があります:

  1. 無料プランに留まりたいユーザーは、スワイプ回数を節約することに気を配るため、より積極的に利用し、それでセッションの長さと広告表示の機会が増える。
  2. 「いいね!」アクションを制限することで、ユーザーが有料プランに登録する可能性が上がる。無料の「いいね!」がなくなった後に次のプロフィールで理想の相手を見たことがあるか。これは偶然ではない

アプリのパフォーマンスを上げる

アプリケーションの読み込み待ちほどイライラするものはありません。ユーザーはすぐに興味をなくして製品を使うのをやめ、もっといいアプリパフォーマンスがある競合他社を探しに行きます。

通常、アプリのパフォーマンスを最適化するのに最もコントロールできるのはエンジニアですが、UX デザイナーが手助けできる方法が4つあります:

  1. ファイルサイズと寸法を縮小してアセットファイルを最適化する
  2. 読み込み時間を短縮するために、画面ごとのコンテンツを最小限にする。
  3. 大きなシステムタスクのために、ユーザーの注意を一時的にそらすローディングインタラクションを作成する。
  4. アニメーションは短くし、ユーザーのサポートだけに使用する。

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